2006 年 2 月 27 日 20 時 0 分

ピクセルは点か領域か


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[写真] [写真]


今まで触れなかったが、拡大や縮小においては、
ピクセルの捉え方が、非常に重要となる。
ピクセルを点と捉えるか、領域として捉えるかということである。

点とする捉え方は、野球場のバックライトのように、
大きな枠があり、バックライトの枠の辺には
等間隔で電球がくっつけてあり、枠の内側にも
電球が同じ間隔で縦横に敷き詰められており、
それぞれの電球が様々な色で発色しているという考え方だ。

領域とする捉え方は、トイレや風呂場のタイルのように、
決まった大きさをもつ正方形のタイルが敷き詰められ、
それぞれのタイルが、様々な色で塗られているという考え方だ。

前者の場合、画像のサイズは、電球の「間隔数」となるが、
後者の場合、画像のサイズは、タイルの「枚数」となる。
つまり、植木算的に考えると、1 ピクセル分のずれが生じるのだ。

画像を表示する際は、後者の考え方をするのが一般的である。
四角形の領域を持つ画素が隙間無く並んでいると考えるのだ。

では、前者にはどのような利点があるだろうか。

拡大や縮小など、座標の変換が発生する処理を行う場合、
座標上の点として考えれば、計算が簡単に行えるのである。
なので、この何日かで行っている拡大・縮小は、
前者の処理方法で行っているのである。

ただ、前者の考え方の場合、上でも述べたが、
座標として考える時に、植木算的にピクセル数が減ってしまう。
つまり、120 x 90 の画像は、119 x 89 の間隔と捉えられるので、
単純に考えても情報量が一部減ってしまうことが分かる。

どこの情報が減っているかというと、
バックライトの枠にくっついている電球である。
中央にある点の光は、上下左右に影響を与えるが、
左辺にある点は、右方向の 180 度分にしか影響を与えない。
左上の頂点は、右下方向の 90 度分にしか影響を与えない。

つまり、画像の端にある点が 1/2、
頂点に当たる点が、1/4 の重要さで計算される結果となる。
処理を行った結果、周辺のデータが一部欠損してしまうのだ。

では、単純な画像で検証してみよう。
以下のような小さな 3 x 3 の画像を用意して、
それを近傍法によって大きく拡大してみるとどうなるか。

黒赤黒
青白黄
黒緑黒

結果が写真である。どうだろう。
明らかに端の情報量が減っていることが分かると思う。

では、明日は、領域とする捉え方で試してみよう。



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