2007 年 8 月 7 日 23 時 59 分

スクリーンセーバーとディスプレイ


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まだ本調子ではないので、ライトなネタからやっていこう。
今回取り上げるのは、スクリーンセーバーだ。

スクリーンセーバーの役割は、その名前が示すとおり、
「画面」を「保護」するためにある。

この「画面」は、当初は表示装置そのものを表していた。
つまりは、表示用のディスプレイである。

最近のパソコンの表示装置には液晶ディスプレイが主流だが、
一昔前は、ブラウン管(CRT)のディスプレイが主流であった。
CRT ディスプレイは、その構造上、
同じパターン(特に明るい画素)を長時間表示していると、
蛍光体の焼きつきが発生し、寿命を縮める原因となる。

最近では CRT ディスプレイが使われなくなってきたが、
CRT の次世代となるプラズマディスプレイ(PDP)でも、
焼きつきが発生する可能性はある。

また、液晶ディスプレイでは、焼きつきは発生しないが、
やはり同じパターンが続くと静電気が溜まり、
液晶の動きが悪くなり、残像(ゴースト)が出るようになる。

スクリーンセーバーは、これらの現象を抑えるためにある。
スクリーンセーバーは、一定時間操作がないと起動し、
画面全体に描画することで、同じパターンの連続を防ぐのだ。

最もシンプルなスクリーンセーバーは、黒一色である。
Windows XP にも、「ブランク」という名前で存在する。
CRT/PDP の場合、黒が最も発光の少ない色であり、
保護効果と省電力効果が高いと考えられたからである。

しかし、これは液晶ディスプレイには当てはまらない。
液晶ディスプレイは、常にバックライトが点灯しているため、
黒一色にしたところで、黒のゴーストが出る可能性があり、
さらに消費電力にもほとんど影響しないのである。

このように、いろいろな種類のディスプレイがある現在では、
パソコンと連携した省電力機能が使われることが多い。
わざわざ画面に描画するよりも、
ディスプレイ自体の表示を止める方が効率が良いからだ。

そのため、最近のスクリーンセーバーの役割は変わってきた。

ソーシャルエンジニアリングによる情報漏洩を防ぐため、
「画面表示」を遮断して保護するセキュリティ的な要素や、
画面全体を利用してニュースを配信したり、
グラフィックス機能を利用して美しい描画を行ったりと、
娯楽的な要素も同時に持ち合わせている。



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